セカイイチ / 虹(c/w 忘れてた事)

noli_nomu2005-11-08


虹

11/2に発売されたセカイイチのニューシングル。ちょっと早いが来春公開の映画の主題歌に
も起用されるという、このタイトル曲「虹」は何ともセカイイチらしい、そして今までのセカイイチの詩の世界をもっと広げたすばらしいミディアムナンバーだ。


人間であることの苦悩。
それって、みんなおんなじなんだよ…という一言は無いけれど、Vo.岩崎の包容力のある声がありあまりくらいの優しい詩で語りかけてくる。
セカイイチの詩は全体的にわかりやすい言葉で情景を描いている。今回の虹に関しても同様で、何でこんなシンプルな言葉で感動してしまうんだろう、と思った。


それがたぶん音なんだろう。構成はどこまでもシンプル。
序盤は音数を少なく、後から徐々に増やして最後はがっちりバンドサウンドを聴かせてくれる。…というか、良く考えればメジャーデビューして1stアルバム発売したバンドとは思えない落ち着きがある。
それがまた、リスナーを安心させてくれる要素の一つなのかもしれない。


変わって、c/wである「忘れてた事」は即効性の高い、すごく楽しい曲だ。
(歌っている詩こそ、実は重いんだが)
こちらも人間は空を飛べない、って言い切ってしまうところから始まる。
だから歩こうとする。前に進もうか、ってちょっと仕方ないかな、なんて思いながら歩いてしまう。たぶん、そこには「でも飛んでやるぜ!」という気持ちもあるはず。
大きすぎる現実に面と向かったとき、人は挫折する。
でも、それは悪いことじゃなくて、その現実を打ち破ろうと今の方法以外を考えるチャンスでもあるんだ…そんなことをこの曲を聴いて思った。


両方の詩に出てくる「人間」という言葉。
これからのセカイイチに深くかかわってくるキーワードなのかもしれない。